祇園祭―山鉾巡行の歴史と文化―
2025.5.17(土) 〜 7.21(月・祝)
祇園祭は、蔓延する疫病を防ぐ目的で平安時代初期から催された御霊会に始まるとされます。もともと朝廷や貴族の祭祀として執り行われていた祇園祭は、時代の変遷と共にさまざまな要素が加えられるようになり、中世になると、祭りの担い手も貴族から経済力をつけてきた町衆へと移り変わってゆきました。そして、巨大な山鉾が次第に姿をあらわすようになり、町衆の経済力を背景に、華麗な山鉾が巡行する様相が祭りの中でも大きな位置を占めるようになってゆきました。
祇園祭に登場する山鉾には、長大な鉾を中心に据えた巨大な鉾や、様々な意匠で故事来歴の場面などを再現した山など、さまざまな建造物があり、それぞれの山や鉾には、幕類や錺金具など美しく由緒もある懸装品が数多く用いられ、国内はもとより遠く中国やヨーロッパの美術工芸の粋が集結しています。都大路を悠然と進む山鉾の姿は動く美術館と呼ばれ、日本を代表する文化財に位置付けられているのです。
今回の展示では、祇園祭における山鉾の歴史や文化について、江戸時代の古記録なども展示しながら、その魅力を総合的に紹介してゆきます。
(「ガラスの丹後王国の世界」展と同時開催)